2019/9/11
9月11日 第4次安倍再改造内閣が発表されました。
今回の改造内閣では、大幅な閣僚の入れ替えとなっています。

※オレンジセルは初入閣
新入閣は13人と、前回改造時(11人)より多く、よく言えば新鮮、悪く言えば入閣待機組の解消となります。
留任もしくは横滑りしたのは、麻生財務大臣、菅官房長官をはじめ河野太郎防衛大臣、茂木敏充外務大臣と、現政権の喫緊の政策課題である経済政策、安全保障問題について継続性を重視したものでしょう。
そのなかで、世耕(前)経済産業大臣が留任しなかったのは、やや意外な感じがします。ロシアとの平和条約交渉が進展せず、北方領土での経済協力問題が停滞気味なのが影響しているのでしょうか。
再任組は、加藤厚生労働大臣と高市総務大臣。厚生省は年金・社会保障の見直しの一方、調査データの不適切な処理など多くの問題を抱えています。総務省はケータイ5Gの導入を控えていますが、楽天の参入の遅れが危惧されています。いずれも、経験者が必要とされています。
新入閣のうち、河井法務大臣(総裁外交特別補佐)、荻生田文部科学大臣(元内閣官房副長官)、江藤農林水産大臣(内閣総理大臣補佐官)、西村大臣(内閣官房副長官)、衛藤大臣(内閣総理大臣補佐官)の5人が官房や補佐官など総理に近いところからの登用となっています。
派閥別にみると、増減は以下のとおりです。
細田派 3←3
麻生派 3←5
竹下派 2←2
二階派 2←2
岸田派 2←3
石破派 0←1
石原派 0←0
無派閥 6←2
公明党 1←1
ただし、五輪担当大臣は、前回改造当初の桜田氏(二階派)から鈴木氏(麻生派)に途中で替わっていますので、実質的には、麻生派、二階派、岸田派、石破派が各1減らし、無派閥が4増えたことになります。派閥均衡は維持しつつ、無派閥を増やしたということになります。
また、新入閣の派閥別の増減は、以下のようになります。カッコ内は上記の「総理に近い」方の数です。
細田派 3(2) ←2
麻生派 1 ←2
竹下派 0 ←1
二階派 2(1) ←2
岸田派 2 ←2
石破派 0 ←1
石原派 0 ←0
無派閥 4(2) ←1
公明党 1 ←0
「総理に近い方」を派閥から除いて考えると、無派閥が増加していることと併せて、各派閥とも『押し込み力』が低下しているように見えます。派閥均衡ではありますが、かつてのように派閥の長の意向ではなく、官邸主導がますます強まりました。
「総理に近い方」は同時に官房の菅長官に近い方々でもあり、一方では、菅氏が無派閥議員を糾合し菅派を目指しているとのうわさも考え合わせると、ポスト安倍を目指す菅氏が影響力を行使した組閣ではないかと思えてしまいます。
さて、この見立てはいかがでしょうか???
官邸

自民党
